MiniMax H3 プロンプトガイド: 公式の型と3つのモード
MiniMax H3 で効くプロンプトの書き方。公式の3ブロック構成、@ファイル参照、3つの生成モード、そして避けるべき6つの失敗を解説します。

MiniMax H3 のプロンプトについて書かれているものの大半は推測です。モデルが登場してまだ1週間ほどなのですから無理もありません。しかしこのガイドは推測ではありません。MiniMax は7月31日の H3 公開と同時に詳細な利用マニュアルを出しており、そこには珍しいものが埋まっていました。エンジニアが書いた明示的なプロンプトの型、ファイル参照の役割の分類、そして生成を台無しにしがちな失敗の率直なリストです。その内容は、これまで英語圏にはほとんど出てきていませんでした。
私たちはマルチモデルAI動画プラットフォーム Pixo を開発しており、モデルのマニュアルを公開当日に読むのは仕事の一部です。私たちのエージェントは、運用するすべてのモデル向けにプロダクション品質のプロンプトを書かなければならないからです。ここでは H3 のプロンプト体系を、MiniMax 公式の動画生成ドキュメントと突き合わせたうえで、現場のクリエイター向けに整理して紹介します。(モデル自体が初めてなら、まずはH3 第一印象レポートからどうぞ。)
公式の型
マニュアルからそのまま引用します。
プロンプト全体 = リファレンス素材の注記 + 中心となるアイデア + シーンごとの描写
この順で3ブロック。何もアップロードしていないなら最初のブロックは省きます。失敗する H3 プロンプトの多くは、このうちちょうど1つのブロックを壊しています。たいていは、すべてを1つののっぺりした段落に詰め込むというやり方で、これがマニュアルの挙げる失敗の第1位です。
ブロック1: リファレンス素材の注記
アップロードした各ファイルにはアップロード順の番号が振られ、文中で @image1、@video2、@audio3 のように引用します。そしてすべてのファイルに役割の宣言が必要です。この役割の分類は覚えておく価値があります。実質的に、自然言語で書かれた H3 のAPI仕様だからです。
- キャラクターリファレンス — 顔や人物像を固定する
- オブジェクトリファレンス — 製品や小道具を固定する
- シーンリファレンス — ロケーションを固定する
- キーフレーム — フレームを固定する(最初か最後かを明示すること)
- 声のリファレンス — 声の音色を固定する
- 絵コンテ — ストーリーパネルに沿ってショットを生成する
- スタイルリファレンス — 画像のルックに合わせる
- 構図リファレンス — フレーミングとレイアウトに合わせる
- 音声の再利用 — トラックをそのまま動画の音声として使う(一部だけの再利用も可)
- モーションリファレンス — 動画内のアクションを固定する
- カメラリファレンス — カメラワークを固定する
- 動画編集 — 加工対象となる動画
マニュアルの例を訳すとこうなります。「@image1 はキャラクターリファレンス(この女性の顔を固定する)、@video1 はモーションリファレンス(その中の剣舞の動きを使う)、@audio1 はムードリファレンス(古琴のクラシック曲)。この女性に、桜の咲く中庭でこの動画の剣舞を舞わせる。」
モデルカードにある厳格な上限も忘れずに。合計12ファイル、内訳は画像が最大9枚、動画クリップ3本、音声トラック3つで、動画と音声はそれぞれ合計15秒までです。
ブロック2: 中心となるアイデア
マニュアルが明示的に挙げる4要素は、被写体(誰・何が)、場所(どこで)、出来事(何をしているか)、ジャンル/スタイル(実写、アニメーション、シネマティック、コマーシャル、ドキュメンタリー、あるいはサイバーパンクやネオンといった名前のある美学)です。加えて任意でカメラの挙動を指定します。H3 はデフォルトでショット間をカットするため、1本の連続テイクが欲しいならそう書きましょう。カメラワークについてマニュアルは異例なほど具体的で、「シーンをぐるっと回して」といった曖昧な要求ではなく、*「左にトラック + 右にパン」*のような具体的な動きを書けと指示しています。カットについては、ハードカット、フェード、ビート同期、高速モンタージュといったスタイルを指定できます。
ブロック3: シーンごとの描写
時間の流れに沿って、区間ごとに何が起きるかを描写します。*「0〜3秒: …、3〜7秒: …」という形で、ファイルと結びつく要素にはその都度 @ 参照を添えます。セリフもここに書き、ルールは絶対です。正確なセリフをそのまま書くこと。「彼女が感動的なことを言う」ではぐずぐずな結果になりますが、「彼女は言う: 『来てくれたのね。この刃は十分に待った。』」*と書けば、そのセリフがリップシンク付きで出てきます。
生成を救うルール
マニュアルにある4つの小さなルールは、その大きさに比べて効きます。
意味ではなく、カメラに映るものを書く。 H3 は具体的で視覚的な直接描写に応え、比喩でつまずきます。「都会の憂鬱な空気感」より「雨に濡れたネオンが彼女のレザージャケットに反射する」が毎回勝ちます。
画面内のテキストは一字一句そのまま引用する。 フレーム内に文字を入れたいなら、そのまま書きます。「スマホの画面に『AI Video Creation』というタイトルと、『Start Now』と書かれたボタンが表示される。」
不要な音楽は明示的に消す。 BGMなし? ならプロンプトの末尾を non_diegetic_music: N/A で締めます。そして自己矛盾は禁物です。ある行でサウンドトラックを要求しながら別の行でBGMを禁止するのは、マニュアルに載っている失敗パターンです。
カットするときはショットに名前を付ける。 カットを指定する際は、新しいショットサイズと、そこに映る既出の被写体を明示します。これがカットをまたいで顔を一貫させる要です。
3つのモードそれぞれのプロンプト
リファレンスモード(画像9枚 + 動画3本 + 音声3つまで): 型が丸ごと適用されます。リファレンス注記ブロックは必須で、ラベルのないファイルは無駄なファイルです。
画像・トゥ・ビデオ / 最初と最後のフレーム: 画像を1枚アップロードし、それが冒頭フレームか最終フレームかを書きます。2枚渡せば、H3 がその間のモーション・ライティング・音声を埋めます。重要なのは、このモードではカメラのカットを勝手に作らないことです。マニュアルの例はこうです。「@image1 は最初のフレーム: 桜の木の下で剣を持つ女性。構えから剣舞の全体まで、自然に流れるように、カットなしで。」
純粋なテキスト・トゥ・ビデオ: ファイルなし、上限は寛大で、マニュアルはプロンプトの上限を7,000文字としています。使える結果を得るための下限は、被写体の外見 + シーンの詳細 + アクション + スタイルです。それより短いプロンプトは、スタイルの選択ではなく、文書化された失敗パターンです。
そのまま使える出発点
公式の型に沿ったプロンプトを3つ用意しました(自由に改変してください)。
[References] @image1 is the character reference (lock her face). @image2 is the scene reference.
[Core idea] A woman in a rain-soaked neon alley in Tokyo at night; cinematic live-action; one continuous take, slow push-in.
[Process] 0–4s: she walks toward camera, rain on her jacket, distant traffic hum. 4–8s: she stops, looks up; she says: "It was never about the money." Ambient rain continues. non_diegetic_music: N/A[References] @image1 is the object reference (lock the perfume bottle, label included). @audio1 is the audio reuse track.
[Core idea] Luxury product film, 21:9, studio-to-sunset lighting shift; beat-synced cuts.
[Process] 0–3s: bottle rises from black marble, side light. 3–6s: cut on beat to golden-hour terrace, bottle identical. 6–8s: macro on the label, on-screen text reads "NOCTURNE".[Edit instruction, against an existing video] Replace the cat in the video with a golden retriever. Keep the camera move, lighting and background unchanged.マニュアルが警告する6つの失敗
| 失敗 | 対処 |
|---|---|
| のっぺりした1段落にまとめる | 型の3ブロックに分ける |
| ファイルはアップロードしたが役割を書いていない | すべてのファイルに「@image1 は◯◯リファレンス」を追加する |
| 音楽を要求しつつBGMを禁止する | どちらかを削る、またはシーンごとに使い分ける |
| ワンテイクが欲しいのに「ショット1 / ショット2」と書く | ショット構成を書かず、連続した1段落の叙述にする |
| リファレンス画像なしで顔の一貫性を求める | 「キャラクターリファレンス(顔を固定)」とラベリングした画像をアップロードする |
| ファイルもなくプロンプトが短すぎる | 最低でも被写体の外見 + シーン + アクション + スタイルを網羅する |
正直な近道
マニュアルの締めくくりのアドバイス、つまりプロンプト作成をプロのパートナーに任せよという助言は、私たちがあらゆる最先端モデルで見てきたパターンを MiniMax 自身が認めたものです。プロンプトは静かに仕様書になりました。リファレンスの一覧、時間割りのブロック、書式のルールを備えた仕様書です。型を知っていることが、使える出力とぐずぐずの出力を分けます。しかし、複数シーンの動画のすべてのショットに仕様書レベルのプロンプトを書くのは、まぎれもない労働です。
まさにそのために私たちは Pixo のエージェントを作りました。作りたい動画を説明すれば、エージェントがスクリプト、ストーリーボード、そして各モデルのネイティブな方言によるショットごとのプロンプトを書きます。上記の型も当然その一部です。モデルごとに求める方言が違うことこそ、H3 vs Seedance 2.5 比較の要点でもあります。MiniMax H3 は、Seedance、Kling、Veo と並んで Pixo のストーリーボードに加わる予定です。今すぐ登録すれば、新規ユーザーには200クレジットが無料で付与され、H3 が到着した瞬間から使い始められます。
よくある質問
MiniMax H3 の公式プロンプトの型は何ですか?
MiniMax の利用マニュアルは次のように定義しています。プロンプト全体 = リファレンス素材の注記 + 中心となるアイデア + シーンごとの描写。まずアップロードした各ファイルの用途を宣言し、次に被写体・場所・出来事・スタイルを示し、最後に時間の流れに沿ってアクションを描写します。必要ならタイムスタンプも添えます。
MiniMax H3 のプロンプトでアップロードしたファイルを参照するには?
アップロード順に番号を振り、文中で @image1、@video2、@audio3 のように引用します。すべてのファイルに役割の宣言が必要です。顔の固定、オブジェクトの固定、シーンリファレンス、モーションリファレンス、声のリファレンス、テンポ用トラックなどです。用途を書いていないファイルは、リファレンスが無視される最大の原因です。
MiniMax H3 が勝手にBGMを付けるのを止めるには?
プロンプトの末尾に明示的に書きます。「non_diegetic_music: N/A」(あるいは同じ意味の平易な文)です。書かれていない否定の希望は無視されがちです。また、ある行で音楽を要求しながら別の行でBGMを禁止する、という矛盾は絶対に避けてください。
MiniMax H3 でキャラクターの顔を一貫させるには?
キャラクターのリファレンス画像をアップロードし、顔の固定用だと明示的にラベリングします。たとえば「@image1 はキャラクターリファレンス(この女性の顔を固定する)」のように書きます。ラベル付きリファレンスをアップロードせずに顔の一貫性を求めることは、マニュアルが挙げるよくある失敗の1つです。
MiniMax H3 の3つの生成モードとは?
リファレンス・トゥ・ビデオ(最大12ファイル、画像9枚・動画3本・音声3つで、それぞれに役割を宣言)、キーフレーム1〜2枚を使う画像・トゥ・ビデオ(H3 がその間のモーションを埋め、カットは勝手に作りません)、そして純粋なテキスト・トゥ・ビデオの3つです。
本ガイドは、MiniMax 自身の H3 利用マニュアルを訳して再構成し、2026年8月5日時点の公式動画生成ドキュメントおよび公開モデルカードと突き合わせたものです。掲載したプロンプトのパターンは、私たちのエージェントが実運用で使っているものです。モデルの挙動はアップデートで変わるため、個々の例は保証ではなく出発点として扱ってください。


