Google Flow Musicレビュー:楽曲・動画・リップシンクを検証
Google Flow Musicでオリジナル曲と歌唱動画を制作。実際の映像を見ながら、リップシンク、記録されたプロンプト、クレジットの消費を確認します。

今回のテストでは、Google Flow Musicでオリジナル曲とダウンロード可能な720p動画を生成できました。後半の動画では歌い手と背景の一貫性が保たれていましたが、再生すると口の動きが歌声と合わない箇所がありました。また、見積もりが表示残高を下回っているのに、クレジット不足としてリクエストが拒否されるケースもありました。
楽曲のアイデア出しや短い映像シーケンスには役立つ結果でした。一方、完成作品として歌唱シーンを使うには、同期精度の改善が必要だと感じました。
楽曲と動画の制作指示
Flow Musicは楽曲の作成・編集とアプリ内でのミュージックビデオ生成に対応しています。今回は女性ボーカルのインディーポップ曲 Let the Morning In を制作しました。冒頭のオリジナル歌詞は次のとおりです。
I open the window, let the morning in
Shake off the shadows, feel the light again
Step through the doorway, leave the night behind
I open the window, let the morning in
最初の動画では、女性がカメラに向かって歌い、その後に窓を開けるよう指示しました。横長16:9、720pを選び、人物の参照画像を提供し、テキストの重ね表示はオフにしました。
最初の試行:参照画像のポーズがそのまま反映
最初の動画には、マグカップを持って座る女性と、その後に窓へ切り替わるカットが映っていました。指示した歌唱も、窓を開ける動作もありませんでした。
参照画像もマグカップを持って座る女性だったため、意図した動作に適していませんでした。以降の試行では、この入力を修正しました。
チャットの承認返信が、動画に表示されるプロンプトに
Flow Musicの提案には、女性がカメラに向かって歌い、窓を開けると書かれていました。その提案を、次のチャット返信で承認しました。

ところが完成した動画の Prompt 欄には、歌唱や窓を開ける動作の詳しい指示ではなく、その返信が一字一句そのまま表示されていました。

画面上の記録では、承認メッセージが動画の表示プロンプトに使われています。要求した演技がなかったことの説明になる可能性はありますが、モデルに追加の指示が渡されたかどうかや、失敗の原因までは確認できません。
再試行:歌うようになったが、タイミングに課題
参照画像を窓辺に立つ女性に変更し、動作を歌唱のみに絞りました。さらに最終確認でも、指示全体を繰り返しました。
カットを切り替えない、ひと続きのクローズアップ。女性がカメラに向かって冒頭の歌詞を歌い、唇と顎をはっきり動かす。マグカップ、飲む動作、別カットへの切り替えは入れない。

結果には表情豊かな口の動きがあり、人物の一貫性も保たれていました。ただし再生して確認すると、歌声と動作のタイミングにずれがありました。
長めの動画では、複数の歌唱ショットが生成されました。それでも、今回の用途には同期の調整が必要でした。
| 歌唱テスト | 指定時間 | 保存ファイルの長さ | 消費クレジット | レンダリング時間 |
|---|---|---|---|---|
| 短い再試行 | 10秒 | 約14秒 | 125 | 3分37秒 |
| 長めの抜粋 | 30秒 | 39.1秒 | 375 | 3分32秒 |
保存ファイルの長さには、ブランド入りのアウトロが含まれます。試行の間に参照画像と指示の両方を変えたため、改善がどちらか一方によるものとは判断できません。
クレジット:残高が足りるように見えても拒否された
完了した生成では、見積もりと同じ額のクレジットが残高から引かれていました。一方、見積もりが表示残高を下回るのに拒否されたリクエストもありました。
| 表示残高 | 見積もり | リクエスト | 結果 |
|---|---|---|---|
| 145 | 125 | 10秒の歌唱を再試行 | 拒否 |
| 405 | 375 | 30秒の物語形式の動画 | 拒否 |
| 530 | 500 | 40秒の歌唱動画 | 拒否 |
| 530 | 425 | 34秒の歌唱動画 | 拒否 |
| 530 | 413 | 33秒の歌唱動画 | 拒否 |
| 530 | 375 | 30秒の歌唱動画 | 完了。残高は155に減少 |
拒否された34秒の試行では、画面に「Not enough credits」(クレジット不足)と表示された直後に、アシスタントが生成開始を告げていました。同じ会話で30秒のレンダリングが成功する前の出来事です。

Googleのサブスクリプションガイドでは、基本機能は無料で、有料プランではクレジット、生成回数、最新モデルへのアクセスが追加されると説明されています。料金ページにはFreeプランがありますが、確認したページには拒否メッセージの「Members get one free video」(メンバーは動画1本が無料)という枠の説明がありません。どのクレジット規則や利用資格の条件が拒否につながったのかは特定できませんでした。
1曲まるごとの動画を作れるか
30秒はこのアカウントで受け付けられた最長の指定時間であり、製品全体の上限として確認されたものではありません。 初期案内には最長2分の動画と記載されていました。155.1秒の曲全体を依頼すると、Flow Musicは次の2つに分ける案を出しました。
| 曲の区間 | 長さ | 見積もりクレジット |
|---|---|---|
| 0:00–2:00 | 120秒 | 1,500 |
| 2:00–2:35.1 | 35.1秒 | 439 |
| 合計 | 155.1秒 | 1,939 |
この2分35秒の曲では、2回に分けてレンダリングし、それらをつなぐ手順が提案されました。合計1,939クレジットは見積もりであり、実際に検証した費用ではありません。曲全体の動画は完成させていません。

どんな用途に使いたいか
Flow Musicでは、1つのアプリ内でオリジナル曲、再利用できる人物の参照画像、ダウンロード可能な動画を生成できました。
歌声に同期した歌唱映像にするには、今回の例ではさらに調整が必要でした。その用途を目指すなら、まず明瞭なボーカルと適切な参照画像で短い区間を試すことをおすすめします。長い動画に取りかかる前に、口の動きが実際の歌詞と合っているかを確認してください。残高が足りるように見えても拒否された場合は、追加購入で解決すると考える前に、クレジットの規則を確認するのがよいでしょう。


